タイ洞窟救助 コーチと少年のうち3人は無国籍だった! 遠征にも支障

7月10日、タイの洞窟に閉じ込められていた少年らが全員生還し、世界中が喜びに沸きました。USA Todayによると、コーチと少年のうち3人はゴールデントライアングルの出身のためタイ国籍を持っておらず無国籍で、試合での遠征などにも支障があったとのことです。タイ政府は少年らに国籍を与える方向で検討しているようです。




各国から招待はされているものの

救出されたサッカー少年たちは、FIFAからワールドカップ決勝へ招待されていましたね。

少年たちは1週間は入院するとのことで今回は渡航できませんが、それでもFIFAは「FIFAが開催する別のイベントに招待する」などとしています。

また、マンチェスター・ユナイッテッドからもイギリスでの試合への招待があったようです。

しかし、彼らのサッカーチーム「ムーパ(イノシシ)」の監督のナパラットさんによると、コーチのエッカポル・ジャンタウォンさん(25)と少年のうち3人は無国籍だとのことです。

彼らは「ゴールデントライアングル」と呼ばれる、タイ、ラオス、ミャンマー、中国の国境が接する地帯の民族の出身であるために、国籍がなくパスポートを持っていないそうです。

ゴールデントライアングルに無国籍者が多いわけ

200年以上前から少数民族が中国南部雲南付近から南下し、ミャンマーやラオスを経てタイ北部にたどりついたと見られています。

第2次大戦後、山岳民族の多くが暮らすタイ北部や北西ラオス、東北ミャンマー一帯は、「黄金の三角地帯(ゴールデントライアングル)」と呼ばれてきました。

タイ政府は彼らの伝統的な焼畑農業をやめさせ、低地への再定住を促しました。

1974年、タイ政府は山岳民族にも国籍を与えることを決議しましたが、現在でもタイ国内には40万人の無国籍者がいると言われています。

国籍取得の条件が満たせないことや、満たしていても、政府の認定作業が遅れていることなどが原因です。

国籍を取得するには、出生届を役所に提出し、市民権があることを証明する身分証明書を得て、さらに山岳民族が高地で生活するには高地民居住許可証も取得する必要があります。

しかし、こうした書類は高地から離れた町で手続きをしなくてはならず、費用もかかります。
現金収入の乏しい彼らには大きな負担となります。

無国籍であると、移動の自由や土地所有の自由などがなく、教育、医療も十分に受けられません。
また、土地所有権がないと、彼らの暮らす土地を奪われて開発されることもあります。

日本人には観光地として有名な「ゴールデントライアングル」ですが、現地で暮らす人々の生活は過酷です。




コーチのエッカポルさん、「過失」で訴追されるおそれ

コーチのエッカポルさんは、10歳の時に疫病で父母と弟を失い孤児となったそうです。
そして、修道僧になるため近隣の寺院に預けられ育てられたとのことです。

「ムーパ」サッカーチームが発足後は、アシスタント・コーチに招かれたそうです。

遭難後は、自分の持っていた乏しい食料を子どもたちに分け与えることもしたため、一行が初めて洞窟内で見つかった際には、エッカポルさんの健康状態は栄養失調などでほかのどの少年よりも悪化していたとのことです。

USA Todayによると、タイの警察当局者は将来的にエッカポルさんを「過失」の罪で訴追する可能性を排除しないと語っているそうです。

一方で、洞窟内でのエッカポルさんの行為を賞賛する意見もあります。

エッカポルさんは、子供たちが泥水で汚れた水を飲まないよう「洞窟の壁からしみ出してくる水だけを飲むよう」指示。

懐中電灯を1つだけ持っていましたが、そのうち電池が切れて真っ暗闇になってしまったそうです。

エッカポルさんは、そのような状況で子供たちがパニックに陥らないように、また、飢えや寒さに気を取られないよう瞑想するよう促しました。

この瞑想のおかげで体力を温存でき、潜水時にも落ち着いて行動できたので、13人全員の生還につながったと評価する声も高いです。

家族の間からも、コーチを励ます声の方が多いとのことですので、コーチは刑事訴追されずにすめばよいなと思います。

タイ国籍取得の願い

チームの監督のナパラットさんは、「国籍を得られれば、子供たちにとって大きな希望になるだろう。これまでは、パスポートの問題のためにチェンライ県を越えて遠征することすら難しかった」と述べています。

タイの救出責任者は、「我々は誰もなしえないことをなしとげた」と語っていましたし、政府の担当者も現場を訪れていました。

タイ政府は、2024年までに無国籍者をゼロにしたいとしています。
おそらく、タイ政府はこの少年たちに国籍を与える方向で動くことでしょう。

これがきっかけとなって、この少年たちだけでなくタイ全土の無国籍問題が進展することを願います。

(2018.8.9追記)

無国籍の少年らにタイ国籍与えられる

報道によりますと、8月8日、無国籍だった4人にタイ国籍が与えられ、IDカードが手渡されたとのことです。

パスポートも近く交付されるそうです。

行政政府は、「少年たちを優先したわけではなく、国籍付与の条件が整ったため」としているそうです。

注目を集めた少年たちが無国籍のままでは批判を浴びかねないので、手続きを急いだのかもしれませんね。

少年たちは「短期出家」を終えて禊をすませたことですし、これで晴れてサッカー観戦でもなんでも海外渡航できそうですね。

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