法定成年後見制度ってどんな仕組み?

法定後見制度について

成年後見制度には、法定後見制度任意後見制度があり、本人の判断能力の状況によってどちらの制度を利用するかが決まります。

本人の判断能力がない場合は、法定後見制度を利用します。

一方、本人の判断能力は十分ある場合は、任意後見制度を利用します。

この記事では、法定後見制度についてご説明していきます。

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法廷後見制度では、本人の判断能力がないか、著しく衰えている状態にあります。

このような状態では、本人が自分で財産管理をしたり、役所などの手続きをすることが困難です。

こういったことを解決するために法定後見制度を利用して、家庭裁判所に申し立てを行って本人の代わりに手続きを行う後見人を選任してもらい、後見人が本人に代わって、財産管理や役所などの手続き、入院した場合の入院手続きなどを行います。

法定後見制度を利用する場合は、本人の住所地を管轄する家庭裁判所へ法定後見制度の申し立てをします。

申立人になれる人

誰でも申立人になれるわけではありません。

法律上、申し立てできる人が次のように限定されています。

・本人または配偶者
・4親等以内の親族
・市町村長
・検察官

また申し立てする際には、いくつか注意点があります。

まず、家庭裁判所で申立書類が受理された後は、申し立てを取り下げることはできません。

ですので、安易な申し立てをして取り消しを希望することのないようにしないといけません。

もう一点は、本人の後見人として候補者を申立書類に記入することができますが、それが必ずしも家庭裁判所に認められるとは限りません。

例えば、本人の後見人を子供が務めたいといった場合に、申立書類の候補者欄に子供の名前を記載することができますが、その通りに決定されるかどうかは別問題です。

身内が後見人になれる割合は低い

これは、意外と知られていないことなのではないでしょうか?

後見制度を利用したことのあるご家庭でも、利用が10年も前であれば、親族が難なく後見人になっていたかもしれません。

最近の傾向では、親族が後見人に選任される割合は年々少なくなっており、家族や親族が後見人として選ばれた割合は全体の約3割しかありません

残りの約7割は、弁護士、司法書士、行政書士、社会福祉士などの第三者である専門職が後見人として選任されています。

候補者として、子供や親族が後見人となることを希望することはできますが、それが必ず認められるわけではないことを理解しておく必要があります。

最終的に後見人を決定するのは、家庭裁判所の裁判官になります。

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なぜ親族が後見人に選任される割合が減ったのか

成年後見制度ができた当初は、親族が後見人として選任される割合が8割から9割あったと言われています。

しかし、後見人となった親族が本人の財産を自分のために使ってしまうなどの不正が全国的に多発しました。

こういった理由から、親族は相続が発生するまで本人の財産にさわれないようにするのが主流となったのです。

このため、第三者である法律の専門家が後見人として選任される割合が増えました。

本人に子供が複数いた時、そのうちのひとりが後見人となって本人の財産を私的に流用してしまったりしたら問題ですので、このような傾向になったのもいたしかたないでしょうね。

申立には判断能力を示す診断書が重要

申立については、先に述べたとおり限られた人しかできません。

申立書類には、本人の出生から今日までの戸籍が必要であったり、毎月の収支状況を記載したりと、多くの処理が必要になります。

中でもいちばん重要なのが診断書で、主治医やかかりつけ医などの医師に本人の判断能力の状況を書いてもらう必要があります。

必ずしも認知症専門医でなくてもよく、本人との関わりがあった主治医やかかりつけの医師が、本人の判断能力の程度によって、

後見
補佐
補助

のどの分類に該当するかを判断します。

この判断を基にして、家庭裁判所は手続きを進めていきます。

後見に該当する方は、ほとんど判断能力がない状態の方で、言われていることを理解できない方になります。

補佐に該当する方は、日常の簡単な会話はできますが、それ以外の少し難しい会話になると理解できない状態にある方です。

補助は、比較的判断能力が残っている状態の方です。

最終的には、主治医やかかりつけの医師がどの分類に該当するかを判断することになります。

家庭裁判所への申し立て以降

診断書をはじめとする申立書類を裁判所に提出し、本人や申立人、後見人候補者が家庭裁判所へ出向き、裁判所の方と申立について面談を行います。

その後、およそ3ヶ月後ぐらいに後見人が決定され、通知が来ます。

この時に、申立人が希望した候補者が後見人になる場合もあれば、全く見ず知らずの第三者の専門家が後見人となる場合もあります。

後見人選任の理由は、家庭裁判所からは開示されません。

また、問い合わせをしても答えてくれないことになっています。

予め専門家を探して後見人候補者にしておくのもよい

親族が後見人として選ばれる可能性が低いので、初めから知り合いの専門家の先生を候補者として申立書類に記載しておくのが賢明な判断かもしれません。

裁判所に選任された全く見ず知らずの専門家に、本人のためとはいえ、通帳などを渡すのは気が引けるものです。

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また、後見人の先生とはその後も頻繁にお会いしたり電話でやり取りするようになることを考えると、一度お会いして、相性が合う方にお願いするのがお互いのためにもよいのではないでしょうか。

私の伯母の後見の場合は、申し立ての時に地域包括支援センターに紹介された司法書士の先生を候補者として記載したところ、4ヵ月後にその司法書士さんが後見人として選任されました。

申立を行ってから司法書士さんが後見人として選任されるまでの4ヶ月間は、申立人である母が後見人代わりとして年金の受け取りと特養ホームの費用の振り込みを行っていました。

後見人が就任した後は、後見人が本人の財産管理や、役所や介護保険サービスに関する手続きを本人に代わって行います。

ただし、補佐や補助の場合は異なりますので、この記事では後見の場合を取り上げていきます。

法定後見制度のまとめ

・本人の住所地の家庭裁判所で申し立てをする。

・申立人となれる人は限定されている。

・申立書類の受理後は、取り下げができない。

・家庭裁判所が後見人を決定するので、申立人の希望どおりになるとは限らない。

・親族が後見人に選任される割合は低い。

・第三者の専門職が後見人として選ばれる買う割合が高い。

・申立の診断書は、主治医やかかりつけ医院で記載してもらう。

・申立から後見人決定まで、3ヶ月前後かかる。

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