森山加代子さんの大腸がん発見遅れはなぜ? 自覚症状と検査方法は<画像あり>

「白い蝶のサンバ」「じんじろげ」などのヒット曲を持つ歌手の森山加代子さん(78)が3月6日に大腸がんで亡くなられました。夫の林正和氏によると大腸がんに気づいたのは先月だったそうです。なぜ発見が遅れたのか、自覚症状、検査方法、生存率などを調べました。




森山加代子さんプロフィール

60年代から70年代にかけて、ハーフのようなかわいさと独特な曲調がうけて人気を博した森山加代子さんですが、世代的にあまりご存知ない方のために簡単にご紹介します。

本名:林紀代子(はやし・きよこ)

生年月日:1940年3月23日

出身:北海道

夫:林正和(はやし・まさかず)氏(1970年代からのマネージャー)

子供はなし

デビュー:1958年夏(当時18歳)、札幌のジャズ喫茶『ロータリー」で歌っていたところを、マナセプロダクション社長の曲直瀬正雄氏にスカウトされて上京する。

水原弘率いる『水原弘とブルーソックス』の専属シンガーとなる。

1959年12月の日劇ウエスタンカーニバルに初出場。

ヒット曲:デビュー曲の「月影のナポリ」(イタリア歌手のカバー)が50万枚の大ヒット。

その後も「パイノパイノパイ」「じんじろげ」「五匹の子豚とチャールストン」「白い蝶のサンバ」などの一度聞いたら忘れられないリズミカルな曲で次々にヒットを飛ばし、ロカビリー界のアイドルに。

ミュージック・ライフ誌の人気投票女性部門で第1位に選ばれる。

新人としては異例の早さで同年の『第11回NHK紅白歌合戦』に初出場。

当時は紅白に出るまでに何年もかかるのが普通でしたから、これってすごいことなんですよね。

紅白にはトータルで4回出場されています。




森山加代子さんの病歴は?

夫の林正和さんによると、森山さんは年をとっても歌手活動を続けておられたそうなのですが、何度か声帯のポリープ除去手術を受けていたそうです。

2013年に3度目の声帯のポリープ手術を受けた後、人前で歌うのはやめて事実上の引退状態となっていたそうです。

しかし、声帯ポリープ以外はいたって元気に見えたとのことです。

ステージ4の大腸がんと転移

森山さんは昨年12月ころから食欲がなくなり、2月に周囲の勧めで病院を受診したところ、ステージ4の大腸がんですでに他の臓器に転移も見られると診断されたそうです。

亡くなられたのが3月6日とのことですので、大腸がんとわかってからひと月足らずで亡くなってしまったことになりますね。

年末から体調不良だったとはいえ、大腸がんはこんなにも直前まで気づけないないものなのでしょうか。

自覚症状のない大腸がん

大腸がんは早期の場合、初期症状がほとんど見られないのが特徴です。

例えば、小さなポリープだけの状態では、自覚症状はありません。

つまり、症状が出た時には、ある程度進んだ状態のがんだということなので、ここが怖い点です。

ですから、症状のないうちに検査で見つけるのが重要になってきます。


大腸のどの部位にがんができるかによって自覚症状が違う

大腸とひとくちに言っても、結腸・直腸・肛門で構成され、長さが約2メートルもあります

そのうちのどの部位にがんができたのかによっても、自覚症状のあるなしが変わってきます。

口から入った食べ物は、胃、小腸を経て結腸に届きます。

上行結腸や横行結腸など大腸の右側部分の内壁にポリープやがんができた場合は、便がまだ液体に近いので腸壁にぶつかって痛むことがありません。

また、出血があっても大腸を通る間に分解されてしまい、血便と気づきにくいのです。

このため、結腸の右半分にできたがんは自覚症状がなく早期発見が難しく、かなり進行してから見つかることが多いとされています。


(出典:日経BP社)

一方、大腸は出口に近づくにつれて細くなり、食べ物も固形に近くなっていきますので、より肛門に近い下行結腸やS状結腸にがんができると、血液や粘液が混ざった便が出たり、下血が見られたりしやすくなります。

腸管の内側が完全にふさがっていると、痛みや嘔吐、違和感などを感じやすくなります。

このことから、森山さんのがんは早期発見の難しい部位にできたものだった可能性が考えられますね。

日本人女性のがん第1位は大腸がん

日本では、この30年間で大腸がんの患者が5倍にも増えているそうです。
その原因は、食生活の欧米化と高齢化です。

男性のがんによる死因は
1位肺がん、2位胃がん、3位大腸がん

女性のがんによる死因は、
1位大腸がん、2位乳がん、3位胃がん

となっています(2014年)。
大腸がんが身近な病気であることがわかりますね。




ステージ3でも生存率8割

しかし、悲観的になるのはまだ早いです!

今は大腸がんはステージ3でも8割の方は生存できるそうです。

ステージ1、ステージ2はがんが腸壁内部におさまっている段階です。

ステージ3はリンパ節転移がある状態ですが、今の日本ではステージ3でも8割近くは助かるのだそうです。

是非とも検診を受けて、少しでも早期の発見につなげたいものですね。

いきなり本格的な検査はイヤという場合は、まずは自治体などで行っている簡易検査を受けて、その結果によって考えるのがいいと思います。

大腸がん検診は、自治体だと40歳以上になると受けられます。

自分でも気づける初期症状をまとめてみました。

(1) 便に粘液や血が混じる

(2) 下痢や便秘が続く

(3) お腹なかにしこりがある

(4) “残便感”がある

(5) 便意はあるが出ない

こんな症状があったら、かかりつけのお医者さんに相談してみましょう。


さまざまな検査方法

日本では、まだ大腸がん検診の受診率が40%台にとどまっています。

正しい検査方法を知っていれば、早期発見につなげることができます。

一番一般的な検査方法は、便潜血検査や内視鏡検査です。

①便潜血検査を受ける
大腸の腺腫やがんは出血するため、便に血が混じっているか検査することで、その病気の有無を調べることができます。

ほとんどの場合、自治体などで自己負担なしまたはごくわずかな負担で受けることができます。

②内視鏡検査を受ける
便潜血は有効な検査ですが、出血しないポリープや早期がんもあるため万能ではありません。

内視鏡は小さい腺腫や早期がんの段階で見つけられるので、早期発見にはもっともふさわしい方法の一つです。

③CTコロノグラフィー、カプセル内視鏡

腸の中のことを観察するには、内視鏡を肛門から入れて直接観察する方法しかなかったのが、技術の進歩でCTや、無線で体内から画像を送信するカプセルを飲み込む検査で代用する方法が開発されました。

ただし、デメリットもあり、対象となる患者さんや実施する医療機関が限られているのが現状です。

④PET検査
がんの早期発見に関心の高い方の中には、PET検査を受けている方もいらっしゃいます。

進行したがんでは陽性になることは多いですし、実際、PET検査で早期大腸がんや腺腫が見つかることはあるのですが、全てのがんを見つける感度は十分とはいえないとされています。

大腸がんについては便潜血検査や、内視鏡検査を組み合わせるのがおすすめです。


まとめ

日本人は長生きなので、2人にひとりは一生のうちに1度はがんにかかる計算になると言われています。

がんを特別視しないで、かかるものと思って日ごろから検診などの備えをしたほうがよさそうですね。

森山加代子さんの大腸がんの発見の遅れは本当に残念でした。

長い間私たちを楽しませてくれたこれまでのご活躍に感謝するとともに、心よりご冥福をお祈り申し上げます。