IR汚職が疑われている中国のネット宝くじ販売会社500ドットコム社の評判や、株価が急落した理由、宝くじのオンライン販売を停止した理由、中国政府との関係について調べました。
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500ドットコム社の詳しい事業内容は
500ドットコム社は、オンラインでNBA, MLS、プレミアリーグなどのスポーツ宝くじを販売していただけでなく、
オンラインゲームや、
リアルタイムでのサッカーゲーム情報や試合予測の配信を行っていたそうです。
また、ユーザーが記事を投稿できる機能もあり、
専門家らの有料・無料の記事を購読することができたそうです。
さらに、金などの商品取引も行っていたとのことです。
中国のほかにも、多くの国でオンラインポーカーやブラックジャックなどのゲームサービスを提供していました。
500ドットコム社公式サイトには、「無関係の会社が500ドットコムの販売代理店だと偽って営業している」などと注意喚起をするニュースはありましたが、日本で起きている事件について触れるコメントは何もありませんでした。
新規上場時の株価は
500ドットコム社は,
2013年11月にニューヨーク証券取引所に上場しています。
上場時は株価が48%も上昇し、Forbesが潘正明氏にインタビューしていました。
潘正明氏は、
「政府発行の宝くじを売っているので政府から手数料が入る
在庫の必要も流通の問題も発生しない
元本割れのリスクもない」
などと強気のコメントをしていました。
元金融マンらしいコメントですね。
こちらは上場した日の画像です。
(Forbesより)
中国政府がオンライン宝くじを規制した理由は汚職
中国では2015年に宝くじのオンライン販売が禁止され、それ以降500ドットコム社は赤字を計上し続けています。
ある香港紙によると、中国でオンラインの宝くじ販売が規制された理由は、「中国スポーツロッテリーセンター (China Sports Lottery Administration Center)」内の不正が発覚したためだそうです。
オンライン宝くじは、中国スポーツロッテリーセンターの委託を受けて500ドットコム社が販売していましたが、香港紙によると
「数十億ドルが中国スポーツロッテリーセンターの関係者によって盗まれ、記録も残っていない」
ことが発覚したのが2015年の初めで、その後まもなく宝くじのネット販売が禁止されてしまったとのことです。
中国では建国以来ギャンブルは禁止されていたのですが、
1984年の北京国際マラソン大会の資金を捻出するために宝くじが販売されたのをきっかけに、
さまざまなイベントのために宝くじが販売されるようになり、
1998年以降、政府当局が積極的な振興施策をとったために急速に拡大したのだそうです。
現在、アメリカに次ぐ世界第2位の宝くじ販売高と言われています。
その一方で、人気が高まると共に偽造・いかさまや不法行為・違法行為が後を絶たない状況となり、当局も徐々に規則をもうけるようになっていきました。
正規の宝くじ販売のほかに、10倍から20倍もの闇市場があると言われており、2018年に中国政府が「闇宝くじの販売禁止令」を出すまでになっています。
500ドットコム社に対する集団訴訟が計画されていた
ファイナンス系サイトに、500ドットコム社に対する集団訴訟の準備があったことを示す情報がありました。
500ドットコム社は2013年11月にニューヨーク証券取引所に上場しましたが、2015年に入って「正式な営業許可を受けていないのでは」という指摘が中国各メディアで相次ぎ、そのために株価が大幅に下落したそうです。
それを受けて、Kahn Swick & Foti弁護士事務所が、500ドットコム社への投資で損失を出した人に対して集団訴訟に加わるようメッセージを掲げていました。
500ドットコム社の役員は、投資家に対して重要な事項を説明していなかったとしています。
その訴訟が実際に行われたのかどうか、確認できておりません。
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500ドットコム社の営業許可にまつわる噂
報道によると、
2014年5月7日に Jinghua Dailyに、
中国の福祉ロッテリーセンターとスポーツロッテリーセンターの担当者が、
「どの企業にもオンラインの宝くじ販売を許可したことはない。オンライン宝くじ販売はすべて違法だ」
と述べたとする記事が掲載されました。
この後、500ドットコム社の株価は15%以上下落しました。
また2015年1月17日には、匿名の中国政府関係者が、各省に対して無許可のオンライン宝くじ販売を行っていないか自ら調査を行うよう通達を出したとする記事がSina.comに掲載されました。
このため、500ドットコム社の株価はさらに下落しました。
さらに2015年2月25日に500ドットコム社が、中国当局の通達に従って宝くじのオンライン販売を一時的に停止すると発表したため、同社の株価は22%も下落したそうです。
この噂に対して500ドットコム社は、繰り返し「適切な営業許可を受けている」と弁明してきましたが、中国のユーザーは懐疑的なようです。
500ドットコム社の中国名は「500彩票网」ですが、検索窓に「500彩票网」と入れると、今でも営業許可というサジェスチョンが出てきます。
500ドットコム社の営業許可について、不安に思っている人が多いのでしょうね。
500ドットコム社と中国政府との関係
500ドットコム社は11月4日に、「中国宝くじ業界におけるブロックチェーン技術のブループリント」と題するプレスリリースを発表しました。
香港紙によると、この2週間前に中国政府がブロックチェーン技術への取り組みを表明したばかりだったそうで、同社と中国政府との密接な関係が改めて浮き彫りになったとしています。
ブロックチェーン技術とは、仮想通貨の取引などに利用される技術で、匿名性が特徴です。
500ドットコム社は、匿名性を保ったまま正しく取引の記録を残せれば、不正やいかさまを防いで宝くじのオンライン販売を再開できると考えているようです。
500ドットコム社がブロックチェーン技術の研究を始めたのは2015年で、宝くじのオンライン販売が禁止されたのと同じ年です。
中国政府もオンライン宝くじの販売を禁止したものの、できれば再開したいので官民一体となってブロックチェーン技術をオンライン販売に応用できないか研究していたのではないでしょうか。
しかし、同社はニューヨークに上場しているにもかかわらず発表したプレスリリースが中国語版のみだったので、「投資家を安心させたかっただけなのでは」と失笑ぎみに報道されていました。
500ドットコム社は中国政府と関係が深いだけでなく、ほとんど一心同体と言ってもいいのではないでしょうか。
500ドットコム社のプレスリリースは非表示となってしまいました (2020年3月25日現在)。
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「秋元司議員に資金提供した中国企業名は500ドットコム?!」も是非どうぞ。