カルロス・ゴーン氏が日本を不法出国しトルコ経由でレバノン入りした事件に関連して、トルコで拘束されたのはビジネス航空会社のMNG航空(MNG Jet)の関係者であることがわかりました。ゴーン氏が搭乗したチャーター機の性能、画像、料金などを調べました。
拘束されたのはトルコMNG航空の社員ら
海外紙によると、トルコで拘束されたのはMNG航空 (MNG Jet Aerospace Inc. )の子会社のパイロット4名と、地上勤務の職員1名、貨物会社の社員1名の計7名だそうです。
トルコ警察は、拘束者はさらに増える可能性があると語っているそうです。
ゴーン氏の国外逃亡と同じ日に、関西空港からプライベートジェットが飛び立っていると噂されてきましたが、トルコ当局の拘束によってそれが裏付けられた形ですね。
🇯🇵🇱🇧🇹🇷 Carlos Ghosn in Beirut : seven arrests in Turkey, including 4 MNG Jet pilots. pic.twitter.com/acX6iztkvI
— air plus news (english) (@airplusnews_EN) January 2, 2020
トルコ警察はゴーン氏入国を知らなかった
現地紙によると、トルコ警察や管制官はゴーン氏がトルコに入国したことを知らなかったそうです。
プライベートジェットの場合、機長が関係する役人に航空機とルート情報を提供しますが、係官は機内を捜索しないそうです。
管制塔からアタチュルク空港への着陸を許可するため、機体コードによって出発および到着ルートを確認するのみだとのことです。
詳細な調査が実施されるのは、避難やセキュリティ上の脅威が発生した場合だけで、通常は給油後フライトを継続するとのことです。
(トルコ当局に逮捕された関係者、APより)
MNG航空とは?
MNG航空は、トルコのアタテュルク空港をベースにしているビジネス航空会社で、トルコの複合企業MNGグループの一企業だとのことです。
親会社のMNGホーディングは、約40年前に設立された建設会社を皮切りに、エネルギー、航空、観光、金融などの企業を抱える企業グループで、会長のMehmet Nazif Günal氏の頭文字を取ってMNGと名付けられたそうです。
MNG航空には定期便の運航はなく、チャーター機などのビジネス顧客をターゲットにしています。
MNG航空のサイトを見ると、企業理念として
・プロフェッショナルな管理、倫理的な商慣行とサービスの卓越性を通じてビジネス顧客のニーズを満たす
などと書かれていました。
また、会社の価値観として、
・「機会均等」のポリシー
などが挙げられていましたが、今となっては悲しく響きますね。
海外報道によると、MNG航空は、違法に航空機を使われたとして刑事告訴したとのことです。
MNG社員のひとりは、搭乗者に関する書類を偽造したことを認めているそうです。
MNG航空の役員は、
「彼は会社のマネジメントに知らせて承認を得る必要があるという認識がなく、個人の判断で行動してしまった」
と述べています。
大阪からイスタンブールまでの搭乗に関して、公式に記録されている顧客情報では、
「大阪のコンサート帰りのアメリカ人ビジネスマン2名」
とされていたそうで、MNGホールディングの会長でさえ、当初はデータが偽造されたものだと気づかずテレビでの会見に応じていました。
また、
「書類上は、大阪ーイスタンブール間のフライトとイスタンブールーベイルート間のフライトはそれぞれ別の顧客に依頼されたことになっており2つのフライトが結びついていない。
ゴーン氏の名前は2つのどちらにもない」
とのことです。
さらに、今回使用された2機の機体はMNG航空の所有するものではなく、他社の機体だが操縦したのはMNGの従業員だそうです。
これが本当なら、MNG航空も被害を被った側ということになりますね。
MNG航空のマネジメントは、当局に積極的に協力していくと述べており、また、会社のサービスを不正に利用した者が公正に裁かれることを望んでいるとしています。
ゴーン氏は自由の身になれたかもしれませんが、そのために多くの人が逮捕されたり、当局の追及を受けるなどして人生を変えられていると思います。
それでもゴーン氏は、映画化だ、ドキュメンタリー化だとうかれていられるのでしょうか。
「カルロスゴーン面会したハリウッド映画プロデューサーは誰?」
ゴーン氏不法出国に使用された航空機は?
ボンバルディア・グローバル・エクスプレス
ゴーン氏は飛行記録から関空からイスタンブールまでは「ボンバルディア・グローバル・エクスプレス」で密航し、イスタンブールで「ボンバルディア・チャレンジャー300」に乗り換えてベイルートへ向かったと見られています。
<ボンバルディア・グローバル・エクスプレスの詳細>
カナダのボンバルディア・エアロスペース社が開発した大型のビジネスジェットで、要人の移動にも使われるそうです。
関空からイスタンブールまで搭乗したと見られるボンバルディア・グローバル・エクスプレスは、13人乗りでキャビンはゆったりと広く、
フロントにキッチンがついていて、オーブン、電子レンジ、コーヒーメーカー、カップボード、シンクなどが完備しているそうです。
大陸を超えて飛行する能力があり、この種のビジネスジェット機の中では速度が最も速いのだそうです。
飛行速度:最大934 km/h、マッハ0.88
飛行距離:11,100 km
(Wikipediaより)
(MNGより)
(MNGより)
ボンバルディア・チャレンジャー300
イスタンブールからベイルートへのフライトに使用されたのは、「ボンバルディア・チャレンジャー300」と見られています。
<ボンバルディア・チャレンジャー300の詳細>
ボンバルディア・チャレンジャー300は9人乗りだそうです。
トルコからはキャロル夫人も一緒に搭乗したそうですが、夫婦と関係者を乗せても十分ゆったりと飛行できそうですね。
ボンバルディア・グローバル・エクスプレスと同様に、フロントに設備が備わったキッチンがもうけられているそうです。
また、エンターテインメント・ツールも備え付けられているそうですので、テレビや映画などを見ることもできるようになっているのではないでしょうか。
ワインも提供されるそうです。
飛行速度:最大891 km/h、マッハ0.83
飛行距離:5.741 km
上昇速度:25.4 m/s
(MNGより)
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MNG航空のチャーター料金は?
MNG航空のサイトには料金表もありました。
それによると、パーソナルユースでひと月19ユーロ(約2300円)、その上のクラスでひと月49ユーロ(約6000円)と、それほど高くなくて意外でした。
でも、もちろんゴーン氏は特別なケアを必要とするので口止め料も含め、十分な謝礼を支払ったのでしょう。
買収された関係者を含め、事件の全容が明らかになることを望みます。
「カルロスゴーンの元グリーンベレー、マイケル・テイラー氏の経歴と家族は?」も是非ご訪問ください。
「カルロスゴーン逃亡協力者は妻と娘?子供たちの職業は」も是非ご覧ください。
「カルロスゴーン前妻への壮絶DVと離婚せず再婚した重婚疑惑」も是非どうぞ。