カルロス・ゴーン氏の逃亡を手助けされたのではないかと言われるPMCのマイケル・テイラー氏とジョージ・ザイエク氏のうち情報の少ない、レバノン系アメリカ人のザイエク氏について調べてみました。
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ジョージ・アントワーヌ・ ザイエク氏のプロフィール
ザイエク氏は元レバノンの民兵で、マイケル・テイラー氏の警備会社に長年勤務しているようです。
ザイエク氏について、現時点でわかっていることをまとめました。
<ジョージ・アントワーヌ・ ザイエク氏の経歴>
無断転載はおことわりします。
定期的に巡回しています。
(APより)
国籍:レバノン、アメリカ
年齢:60歳
宗教:キリスト教マロン派
出自:
・レバノン内戦時のレバノン・キリスト教部隊の創始者のひとりで、地元では「殉教者」と讃えられるエリアス・ザイエク氏の2番目の弟。
・次兄は健在で、レバノン・レジスタンス軍の事務総長(Seretary General)(2012年当時)。
・ジョージ・ザイエク氏自身も80年代にキリスト教民兵部隊の一員だった。
・若い頃は宝石鑑定士になるための勉強をしていた。
経歴:
・レバノン、イラク、アフガニスタン、リビア、エジプト、ナイジェリアなど、中東およびアフリカで活動する30年以上のセキュリティのプロ。
・90年代からマイケル・テイラー氏とつながりを持っていたと見られている。
・2003年のイラク戦争で米軍側で任務についたほか、中東の工場地帯などで民間企業の社員の保護を行う。
・2009年から2012年まで、マイケル・テイラー氏が代表を務めるAmerican International Security Corporation社所属。
アフガニスタンなどで任務。
・その後、American International Security Corporation社を引き継いだと見られるInternational Security Assistance Groupに所属。
・ベイルートを拠点とする「セキュリティ・マネジャー」。
・アラビア語、英語、フランス語、イタリア語が堪能。
スキル:
・戦争および兵器の経験、敵対的な環境でのセキュリティの経験。
・新興国で多数の民間企業のセキュリティプログラムの開発や実行に携わった経験あり。(ソーシャルメディアより)
ザイエク氏がInternational Security Assistance Groupに勤務していることを示す投稿が、ソーシャルメディアにありました。
(AngelListより)
また、ザイエク氏のベイルートでの家は、マイケル・テイラー氏の関係先の向かいにあるのだそうです。
公私ともに近い関係のようですね。
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殉教者の弟
ジョージ・ザイエク氏について調べると、ほぼすべての資料に「殉教者エリアス・ザイエクの弟」というフレーズがついていました。
ジョージ・ザイエク氏の長兄、エリアス・ザイエク氏は、レバノン内戦当時民兵組織を創設したメンバーのひとりで、レバノン・キリスト教社会では英雄とされる人物だったそうなのですが、内戦終結直前の1990年に凶弾に倒れ、「殉教者」と讃えられています。
次兄のジョセフさんも、レバノンのレジスタンス軍の高位のポジションについていた方のようです。
どこへ行っても「殉教者の弟」と言われるので、兄の名に恥じないように闘わなければと、身を犠牲にして生きてきたことは想像に難くありません。
ジョージ・ザイエク氏は戦闘で何度も負傷しており、後遺症で足を少しひきずっているのだそうです。
また、目もけがしたことがあるという情報もありました。
カルロス・ゴーン氏が救出されてすぐアウン大統領が面会したのは、殉教者の弟が救出した人物だからだという声もありました。
マイケル・テイラー氏はPMC業界で有名人らしいのですが、レバノンでは英雄の弟のザイエク氏のほうが影響力があるのかもしれませんね。
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