任意後見制度 元気なうちに自分の後見人を指定できる

任意後見制度は法定後見制度とどう違うのか

任意後見制度は、本人の判断能力が十分ある状態で活用できます。

法定後見制度と異なる点がたくさんあります。

任意後見制度は、本人の判断能力があるうちに、将来自分の判断能力がなくなった時に自分の財産管理や役所などの手続きを誰に任せるかを予め決めておく制度です。

例えば、本人が将来自分の子供に後見人をしてもらいたいという強い希望がある場合は、任意後見制度を利用すれば、将来、判断能力が亡くなった場合は子供が必ず後見人になることができます。

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この任意後見制度を利用する場合、公証役場で本人と子供 (将来後見人となる人)の間で任意後見契約を結ぶ必要があります。

任意後見制度を利用する場合、公証役場で本人と本人の財産管理などを将来任せる相手との間で任意後見契約という契約を結びます。

また、将来本人の財産管理を任された相手は、将来本人の判断能力がなくなった場合は必ず後見人になることになります。

ただし、理由があれば契約を解除することができます。

つまり任意後見制度とは、判断能力があるうちに、自分が信頼する相手を後見人として決めておくことができる制度です。

この点が法定後見制度と大きく異なるところです。

また、手続きも法定後見の申立ほど複雑ではなく、契約を結ぶだけなので1ヵ月程度でできます。

本人の判断能力が低下してきて、実際に任意後見制度を利用する段になったら、家庭裁判所に任意後見監督人の専任の申立をしなければなりません。

そして、家庭裁判所において任意後見監督人が選任された時から、任意後見契約の効力が発生することになります。

任意後見契約を締結しただけではまだ効力は発生していないことになります。

任意後見監督人が新しい任意後見人を監督することになります。

法定後見制度の場合は、家庭裁判所が後見人を監督します。

任意後見監督人は、弁護士や司法書士が選任される場合が多いです。

任意後見監督人の報酬は別途必要になり、報酬額などについては家庭裁判所の裁判官が決めます。

この点において、法定後見制度と比べて、後見人と任意後見監督人に報酬を支払うことになるので、必要な報酬の総額が大きくなることになります。

任意後見制度のまとめ

・公証役場で契約を結ぶ。

・自分が信頼する相手を将来の後見人として決めることができる。

・一度契約しても解除することができる。

・契約までの時間は1ヶ月前後。

・手続きは、法定後見ほど複雑ではない。

・任意後見契約の効力を発生させるには、任意後見監督人の選任の申し立てをして、任意後見監督人が選任されなければいけない。

・任意後見監督人の報酬を支払う必要がある。

後見人の仕事について

後見人の主な仕事は次のとおりです。

・身上監護
・財産管理

身上監護とは?

身上監護とは、生活、療養、看護に関する事務を処理することです。

例えば、介護サービスを受けるための手続きや、入院した場合の入院手続きなどを行います。

また、介護サービスがきちんと提供されているかどうかを確認したり、入院している場合であれば、病状の確認することなどもこの身上監護に含まれます。

後見人のできることとできないこと

まず、後見人は本人に対して介護を提供しないということです。

医療や介護に関する契約などの療養看護に関する法律行為のみを行います。

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例えば、食事の介助や体位変換などの介護は後見人の業務ではありません。

また、病院などへ定期的に通う際の付き添いや送迎も後見人の業務ではありません。

その他に、本人の自己決定の尊重の趣旨から、本人が生活するために必要な食料品や嗜好品その他の日用品の購入は、後見人の同意を必要としないことになっています。

よく誤解されることが多いのは、医療行為への同意を後見人ができるかということです。

医療行為への同意は、後見人の業務範囲外の行為になりますので、できません。

実際に、入院をした場合などに病院側より医療行為への同意を求められることがありますが、後見人は、医療行為への同意はできません。

また、延命治療を望むか、万が一の時は人工呼吸機をつけるかどうか、などを聞かれることがありますが、後見人はこれらも判断することはできません。

こういったことはあくまでも、家族や親族にしか判断できないことになります。

このことは、病院でも誤解されていることがよくあります。

後見人ができることとできないことをしっかりと理解しておく必要があります。

財産管理について

本人が受けた介護サービスの支払いや、入院した際の支払い、住民税や毎月の家賃の支払いなどを本人に代わって後見人が管理します。

その他に、実印や銀行印、預金通帳、有価証券などの保管および各種手続きも財産管理に含まれます。

後見人は、本人の生活状況をしっかりと把握して、毎月の支払いなどを行います。

本人の財産を増やす目的で、株式投資などを行うことは認められていません。

本人の状況や財産状況は、家庭裁判所に定期的に報告する義務がありますので、後見人はしっかりと管理しなければならず、責任は重大です。

もちろん財産管理については、1円単位まできっちりと報告する必要があります。

後見人ができない業務範囲外の行為について

もう一つ重要なことがあります。

それは、後見人は、本人の連帯保証人や身元引き受け人にはなれないということです。

例えば、施設や病院に入所・入院する場合や、有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅に入居する場合の手続きにおいて、連帯保証人や身元引き受け人を後見人に求めてくる施設や病院がありますが、後見人はそれを引き受けることはできません。

そういった行為は、後見人の業務範囲外の行為になりますので、その点もしっかりと理解しておきましょう。

次に、後見人の任期について確認していきましょう。

任期は、法定後見と任意後見の場合で異なります。

法定後見人の任期終了について

・本人が亡くなった場合
・後見人が辞任した場合
・本人の判断能力が回復した場合

後見人の任期終了で一番多いのは、本人が亡くなった場合です。

病院などで亡くなった場合は、後見人は入院費などを精算し、管理していた財産を相続人に引き渡し、後見人としての業務は終了となります。

亡くなった後の葬儀や納骨などに関することは、後見人の業務ではありません。

あくまでも、本人が亡くなった時点で後見人の役割は終了しています。

亡くなった後のことは、家族や親族がとりおこなうことになります。

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後見人の辞任について

後見人の辞任には家庭裁判所の許可が必要であり、病気や遠方への引っ越しなどの正当な理由がある場合に限られます。

従って、報酬が低いとか、本人や家族と性格が合わないなどの勝手な理由では辞任は認められません。

本人の家族や親族からの後見人の解任について

後見人の側に不正な行為など、後見の任務に適さないと判断される正当な理由がある場合にのみ解任が請求できます。

後見人と性格が合わないなどの理由では認められません。

後見人の任期について

任意後見の場合は、実際に任意後見契約の効力を発生させるための、任意後見監督人の選任が済んでいるかどうかで手続きが異なります。

任意後見監督人が選任される前の場合
本人、任意後見受任者のいずれの側からも、いつでも契約を解除することができます。
ただし、公証人の認証を受けた書面によって行わなければなりません。

任意後見監督人が選任された後の場合
本人または任意後見人は、正当な理由がある時は、家庭裁判所の許可を得て契約を解除することができます。

実際に後見人になろうと考えている方は、これらのことをしっかりと理解した上で後見人を務める必要があります。

いったん後見人になると、正当な理由がなければ辞任できません。

本人が亡くなるまで後見人として責任を果たす覚悟がなければ、安易に引き受けないことです。

後見人の仕事についてのまとめ

・後見人は介護サービスなどを提供しない。

・医療行為への同意は、後見人の業務範囲外である。

・延命治療などへの同意の後見人の業務範囲外である。

・連帯保証人や身元引き受け人にはなれない。

・後見人の仕事は、本人が亡くなった時点で終了する。

・亡くなった後の葬儀などは 、後見人は行わない。

・後見人は、正当な理由がないとの辞任できない。

・任意後見契約をしていて、任意後見監督人の選任される前にあればいつでも契約解除ができる。

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