成年後見制度の利用例 独身者の場合 おひとり様

成年後見制度の利用例 独身者の場合

次に、独身者の場合に任意後見制度が必要になってくるケースを見ていきましょう。

例えば、高齢の両親と子供がひとりの家族で、次のような状況だったとします。

・両親はすでに亡くなっている。

・本人は一人っ子で、親戚とのつき合いもほとんどない。

・本人は結婚歴がなく、自分の子供もいない。

このような状況では、将来本人の判断能力が低下し、法定後見制度を利用しようとした時に申立人になってくれる人がいないという状況になる可能性があります。

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法定後見制度を利用する場合には、必ず家庭裁判所に申立をする申立人が必要です。

前の記事でもご説明しましたように、申立人には

・本人もしくは配偶者
・四親等以内の親族
・市町村長

しかなれません。

このケースでは、仮に本人の判断能力が低下してしまっていた場合に、法定後見制度を利用しようとした時に誰が申立人になるのか問題になります。

おそらく、親戚づき合いをしていないので、お願いしてもほとんど断られるでしょう。

ではその次の候補者というと、市町村長しか申立人に該当する人はいません。

市町村長が申立人となるには、市町村が申立に関する費用を財政 (税金)から支出します

このため、予算の関係や緊急性などから、市町村長がすぐに申立をしてくれるかはどうかわかりません。

市町村長の申立を希望しても、実際に申立がされるまで半年から1年かかるケースも多くあります。

こういったことを考えると、独身者の場合は、自分が元気で判断能力があるうちに任意後見制度を利用するのがよいでしょう。

前の記事で述べてきたように、判断能力が低下して法定後見制度を利用することになった場合、申立すること自体に大変時間がかかってしまうからです。

法定後見制度の利用を避けるためにも、判断能力があるうちに任意後見制度を利用し、予め自分の財産管理などを任せる相手を早めに決めておくことが将来のためには非常に重要です。

この事例によく似たケースでは、子供がいない夫婦で配偶者をすでに亡くされた場合です。

この場合も、残された配偶者がひとりになってしまいます。

ひとり残された配偶者が、判断能力が低下して法定後見制度を利用しようとした場合、申立人の問題が出てきます。

親族から申立の協力が得られなかったら誰が申立人となるのか困ります。

市町村長が申立人となることができますが、前に述べたとおり、申立を実現するにはかなり時間がかかります。

このような場合も本人の判断能力があるうちに任意後見制度を利用する必要があります。

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このケースについても、法定後見制度の利用を避けるためにも、判断能力があるうちに任意後見制度を利用し、将来自分の財産管理などを任せる相手を早めに決めておくことが将来のために非常に重要です。

この例のように独身者の場合は、必ず任意後見制度が必要であり、生前事務委任契約も必要になります。

独身で判断能力はあるが、体の自由がきかなくなってしまった場合、本人に代わって、銀行や役所に行って手続きをできるように生前事務委任契約が必要になります。

また、独身者は亡くなった後のこともしてくれる人がいないので、死後事務委任契約も必要になります。

自分が亡くなった後葬儀や納骨をしてくれる相手と、判断能力があるうちに死後事務委任契約を結び、亡くなった後のことも準備しておく必要があります。

また、独身者の場合本人が亡くなった場合、相続人がいないことになりますので、遺言書を作成しておく方が良いでしょう。

遺言書を準備していなかった場合は、相続人がいないので相続財産は国庫に帰属することになります。

こういった事態を避けるためには、遺言書を作成し、残った財産をどうするのかを決めておく必要があります。

このように独身の方は、将来のために生前事務委任契約、任意後見制度、死後事務委任契約、遺言書を作成しておく必要があります。

私もこの事例に当てはまりますので、高齢になるまでにしっかりと理解しておこうと思います。

このケースのまとめ

・判断能力が低下する前に、生前事務委任契約、任意後見制度、死後事務委任契約、遺言書を準備しておく必要がある。

・法定後見制度を利用しようとしても、兄弟姉妹がいないため申立人となってくれる人が見つからない可能性がある。

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