認知症と地域包括支援センターの利用

認知症と地域包括支援センターについて

ここでちょっと時を遡って、伯母が特別養護老人ホームに入居するまでのできごとをお話ししたいと思います。

伯母は元々、旦那さんと祖母と3人で暮らしていました。

しかし旦那さんは何十年も前に亡くなり、その後は祖母と2人暮らしでした。

20数年前に祖母が亡くなった後は、伯母はひとり暮らしになりました。

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といっても、とりたてて持病があったわけでも寝たきりでもなく、何の問題もなくひとりで暮らしているように見えました。

高齢になってからは、自治体からケアマネージャーさんという介護専門職員の方が週に何回か自宅を訪問してくださり、様子をみてくださるようになりました。

また、私の父も時々伯母を訪ねて行っていました。

父もケアマネージャーさんも、異変には気づきませんでした。

誰も気づかないうちに進行していた認知症

しかしある日、伯母の住む町の役所から父宛てに、伯母の公共料金が引き落とせなくなっているという連絡が入りました。

伯母は、老後の生活のためにそれなりの貯金をしており、年金も毎月振り込まれていたはずなのに、 そのほとんどをなくしてしまい、しまいには公共料金も引き落とせない状態になっていたのです。

伯母の銀行口座からは、毎日のように20万円ずつ引き出した形跡があったそうです。
そのお金がどこへ行ったのかは誰にもわかりません。

これは全くの私の想像なのですが、20万というのは伯母ひとりの生活費にしては多すぎるので、旦那さんや祖母と3人で暮らしていた頃の1ヶ月分の生活費だったのではないでしょうか。

伯母の頭の中では、ふたりが亡くなっているのか生きているのか、1日たったのか1ヶ月たったのかもわからなくなっていたのではないでしょうか。

伯母は認知症と診断されました。
伯母は普段と変わらず穏やかな話ぶりで、話している内容も矛盾がなく、誰が見ても一見認知症とはわからない状況だったので発見は遅れました。

しかし、後からわかったことですが、ある時用事があって出かけた後、かなり遠くまで歩いて行ってしまって帰れなくなり、自分で交番に行って「ここはどこですか?」などと警官に尋ねたのが記録に残っていたそうです。

徘徊が始まっていたのですね。衝撃でした。

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地域包括支援センターってなんだろう

それから父は、地域包括支援センターという機関に連絡を取り、伯母のために訪問介護サービスを紹介してもらったり、定期的に伯母を尋ねて様子を見たりする一方で、老人ホームも探し始めました。

地域包括支援センターとは、高齢者の方がいつまでも住み慣れた地域で生活できるように、保健師、社会福祉士、ケアマネージャーなどの専門職員が介護、福祉、医療などさまざまな面から地域の高齢者の支援を行う専門機関です。

2005年の介護保険法改訂で、各自治体に設置されるようになりました。

地域包括支援センターができる前は市町村の在宅支援センターなどで相談を受けていましたが、センターがもうけられたことで、より高度な専門知識を持つスタッフのアドバイスが受けられるようになっています。

また、認知症の発見・診断のための連携調整や、地域の支援機関をつなぐコーディネート業務を行っていますので、認知症や介護に関する悩みをお持ちの方は、お住まいの地域の地域包括支援センターへ相談されてみてはいかがでしょうか。

父は、訪問介護サービスを利用しながら、ゆっくり老人ホームを探せば良いと思っていたのですが、なんと父自身が病気になってしまいました。

ある病院に行ったところ、ガンだとわかりました。これは、お互い高齢なので仕方ないことですね。
余命宣告もされてしまい、診察を受けたその病院ではなく、ホスピスに入院するように勧められたそうです。

後見制度申し立てまで

父は、残された時間をホスピスで過ごすよりも、伯母の身の振り方を決めることを優先したいと考えたようです。
母もその考えに賛成でした。それもひとつの生き方だと思ったからです。

父は地域包括支援センターに、自分で老人ホームを探す時間はないので、老人ホームを紹介してもらえるように依頼しました。

それと同時に、成年後見人をつける必要があるので、後見人となる司法書士さんも紹介してもらうことになりました。

成年後見制度については後の記事で詳しくご紹介したいと思っていますが、法定後見制度と任意後見制度というものがあり、伯母のケースは法定後見になります。

この申し立ては本人か配偶者、4親等以内の親族にしかできません。
誰もいなければ市町村長ということになります。

伯母の場合、父以外のきょうだいはすべて亡くなっていますので、父は自分の最後の仕事と考えたのでしょう。

しかし、法定後見の申し立てをするまでは結構大変です。

本人に判断能力がないことを示す医師の診断書、毎月の収支状況、そのほかかなり多くの書類の提出が必要になってくるので、すぐには終わりませんでした。

父は、地域包括支援センターに紹介された司法書士さんと面談する予定だった日の2日前に亡くなってしまいました。
あと一歩で達成できるところだったのですが。

そのため母が後を引き継ぎ、家庭裁判所への申立人は母の名前となっています。

認知症のご家族を抱える方へ

今、このページをご覧になっている方の中には、認知症のご家族を抱えて検索から訪問してくださった方もみえると思います。

今は様々な支援体制が整っていますから、ひとりで思い悩まずにまずはお住まいの地域の地域包括支援センターに相談してみてはいかがでしょうか。

間違っても、働かなければならない立場なのに介護のために離職し、収入が途絶えた結果お互いが悲劇的な結末をたどるようなことにはなってほしくありません。

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