麻疹(はしか)ワクチンはすでに品薄 大人の麻疹罹患は重症化の危険

麻疹ワクチンすでに品薄 2度目の予防接種がカギ

感染力はインフルエンザの10倍

麻疹は麻疹ウイルスが人から人へ感染していく感染症で、他の生物は媒介しません。

人から人への感染経路としては空気(飛沫核)感染の他に、飛沫感染、接触感染もあります。

麻疹は空気感染によって拡がる代表的な感染症であり、その感染力は強く、1人の発症者から12~14人に感染させるといわれています。

麻疹発症者が周囲の人に感染させることが可能な期間(感染可能期間)は、発熱等の症状が出現する1日前から発疹出現後4~5日目くらいまでです。

感染力は極めて強く、麻しんに対して免疫がない人が麻しんウイルスに感染すると、90%以上が発病し、不顕性感染は殆どないことも特徴の1つです。

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重症化しやすいのも特徴

死に至ることも決して珍しくない 重い感染症の1つです。

日本では2007年と2008年に、10代から20代の若い世代で流行しました。

成人になって感染すると重症化しやすく、妊婦では流産や早産を起こす恐れがあります。

予防法は予防接種だけ

麻しんは空気(飛沫核)感染する感染症です。

麻疹ウイルスは飛沫核の状態で空中を浮遊し、それを吸い込むことで感染しますので、マスクをしても感染を防ぐことは困難です。

電車で一緒になったり、同じ商業施設を利用しただけでも感染してしまうと言われています。

麻しんの感染発症を防ぐ唯一の予防手段は、予めワクチンを接種して麻しんに対する免疫を獲得しておくことです。

1回接種だけでは十分な免疫を獲得するのは困難で、2回接種が効果的と言われています。

国際標準は2回接種となっていて、他の先進国では2回接種している国がほとんどですが、日本では幼少期に1回接種しただけの人が多く、先進国中最低となっているそうです。

現在では、特に20代から40代に麻疹の予防接種歴が1回だけの方が多くなっています。

日本では、数万人にひとりの割合でも副作用が起きると、反対運動が起こり、国が予防接種の実施をやめてしまったことがありました。
少なくとも、そのような時代がありましたので、その影響もあると思われます。

一方台湾では、今回の発生につながったとみられる30代の台湾人男性から二次感染、三次感染した方は12人しかいません。
その理由は、台湾では麻疹の2回目の予防接種率が98%以上、2回目の接種率も97%という高い確率であることがあげられています。

日本では麻疹の予防接種率が低く、とりわけ沖縄では2回目の接種率が国内でも最低の90パーセント前後にとどまっています。

自分の接種歴を確認する

成人は、自分が接種したかどうかわからない人が多いです。

これは、母子手帳を母親が保管していて、子供が成長すると紛失してしまっていることが多いためだと指摘する専門家もいます。

自分の予防接種歴は意外とわからないですよね。

小学校入学前の予防接種は、母子手帳が残っていれば母子手帳に書かれているはずです。
小学校以降の接種歴は、親にきくぐらいしか手立てがありませんが、昔のことですので親も忘れてしまっていることでしょう。

お薬手帳のように、様々な医療機関で受けた治療をひとまとめに記録するようになったのも、最近のことですよね。

さて、私自身の接種歴ですが、試しに母子手帳を探してみたら、なんと出てきました!
私は幼少期に1回だけ麻疹の予防接種を受けていました。
ですから、もう一回受けたほうがよいことになりますね。

しかし、医療機関に問い合わせてみたところ、もうすでに麻疹ワクチンの在庫がないというところが多く、在庫のある医療機関をこれから探すのは大変そうです。

1回の接種で10~20年の効果が

麻疹の予防接種はインフルエンザの予防接種のように毎年受ける必要はなく、2回目の予防接種を受けると10~20年の免疫効果を獲得できると言われています。

予防接種は自費となってしまうので少々費用はかかりますが、長期間麻疹から身を守れることを考えれば、わずかなコストではないでしょうか。

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麻疹とはしかは同じもの 風疹は別もの

短期間で収まる風疹は風疹ウイルスによって起こる感染症で、三日ばしかとも呼ばれます。

麻疹に比べると軽い症状で収まります。
3週間の潜伏期間の後、発疹と発熱が見られます。

耳の後ろや、後頭部のリンパ節が腫れることも特徴です。
熱は麻疹ほど高くなることはなく、治るまでの期間も短いです。
大抵の場合、数日で回復します。

ただし、風疹に対する免疫のない妊婦が妊娠初期に感染すると、胎児にも感染することがあります。
その場合、胎児は「先天性風疹症候群」となり、白内障や先天性心疾患、難聴といった障害が出てしまいます。

風疹ワクチンによって予防できるので、風疹に免疫のない女性は、胎児の先天性風疹症候群を防ぐためにも、妊娠前にワクチンを接種しましょう。

麻疹と風疹の混合ワクチンの接種を受けることもできます。

かかった時の対応法

特別な治療法はなく、症状に応じて治療を行います。

入院となることも珍しくありません。

それらしい症状が出たら早めに受診しましょう。

感染力が強いので、ほかの人との接触機会をできるだけなくすように、公共交通機関ではなく家族の車で受診する、受診する医療機関にあらかじめ麻疹の症状と似た症状であることなどを電話しておくのもよいでしょう 。

<輸入はしか拡大の経緯>

1例目は3月。
台湾から沖縄へ来日した30代の男性観光客の感染例が伝えられました。

男性はタイで感染し、感染に気づかないまま沖縄入りしたと報道されています。

男性は、発疹などの症状で沖縄県内の医療機関を受診。
翌日、検査の結果はしかと判明。
男性は3/17から3日間沖縄県内を旅行しており、その間にの利用した商業施設の職員、飲食店の従業員、搬送した救急隊員や医師にまで二次感染が広がり、30人前後が二次感染しました。

4月から三次感染者も
4月7日頃から、二次感染者から感染した三次感染者が報告されはじめました。
3月28日から4月2日に沖縄を旅行した、名古屋市内の10代の男性がはしかに感染したことが、4月11日夜に確認されました。
男性は4月4日~7日は埼玉県内にいて、7日夕、新幹線などの公共交通機関を利用して名古屋に戻っていました。
名古屋市は潜伏期間などからみて、沖縄で感染した可能性が高いとみています。

その後、男性が受診した名古屋市内の病院で勤務する30代女性も麻疹に感染したことが判明したことが発表されました。

病院で感染が広がったとみて注意を呼び掛けていましたが、残念ながら愛知県内での感染はその後、特に学校などを中心に拡大しています。

GWを海外で過ごした帰国者がはしかを発症するなどの事例が各地で起きていて、全国のはしかの患者数は、11都府県で少なくとも134人に上っています。

今後更なる感染者の増加が予想されます。

また、三次感染以降については、感染経路を辿る事は困難になると考えられます。

麻しんは空気感染する感染症です。マスクを装着しても感染を防ぐことは困難です。麻しんの感染発症を防ぐ唯一の予防手段は、予めワクチンを接種して麻しんに対する免疫を獲得しておくことです。麻しんと風しんの混合ワクチンを1度接種すると95%、2度接種すると99%の免疫がつきます。

「修飾麻疹」って何?

過去にワクチンを1回でも接種していたり、母体からの移行抗体(乳児の場合)などにより、麻疹ウイルスに対する防御抗体を不十分ながらも持っている人が麻疹に罹患すると軽症の麻疹ですみます。

これが「修飾麻疹」で、周囲への感染力も弱いとされています。

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潜伏期間がやや長い

麻疹ウイルスに感染した後、10~12日間の潜伏期の後に発熱や咳などの症状で発症します。

潜伏期間が長いので、その間に、感染しているとは気づかずに出歩いて周囲の人にうつしてしまうと言われています。

38℃前後の発熱が2~4日間続き、倦怠感、咳、鼻みず、くしゃみなどの上気道炎症状と結膜炎症状(結膜充血、眼脂など)が現れて次第に増強していきます。乳幼児は、下痢、腹痛等の消化器症状を伴うことも少なくありません。

この病初期の段階を『カタル期(または前駆期)』と呼んでいます。

やや隆起した1mm程度の小さな白色の小さな斑点のことを「コプリック班」と呼びますが、病初期の段階に麻しんに特徴的な頬粘膜(口のなかの頬の裏側)に出現します。

コプリック斑を見つけることによって、全身に発疹が出る前に麻しんと診断することが可能です。

カタル期を過ぎると一旦解熱傾向となり、半日程度経過した後に高熱(多くは39℃以上)をきたすようになると同時に、体の表面に発疹が出現します。

発疹は耳の後ろ、首、額から出始め、翌日には顔面、体幹部、上腕におよび、2日後には四肢全体に広がります。

発疹ははじめ鮮紅色で平らですが、まもなく皮膚面より隆起します。
次いで暗赤色となり、出現順序に従って退色していきます。
この時期には高熱が続き、上気道炎や結膜炎の症状がより一層強くなります。
この病態を示す時期を『発疹期』と呼びます。

発疹出現から3~4日間続いた高熱は軽減して解熱傾向となり、上気道炎や結膜炎症状も軽減し、発疹は黒ずんだ色素沈着へと移行し、合併症等で重篤化していなければ発症後7~10日後に回復していきます。

この期間を『回復期』と呼びます。

しかし、麻疹を発症した場合はリンパ球機能などの免疫力が低下するため、しばらくは他の感染症に罹ると重症になりやすく、また体力等が戻って来るには結局1か月位を要することが珍しくありません。

また、麻疹は発熱が1週間継続し、他の症状も強いため、たとえ合併症をきたさなくても入院を要することが少なくありません。

完全に回復するまでには時間を要すること、また下記にあげるような合併症をきたす場合があること等を考慮すると、麻しんは未だに罹患した場合は重症な感染症であるといえます。

乳幼児の接種に助成金のある自治体も

自治体によっては、乳幼児や未成年者、その同居家族の予防接種が無料、あるいは低額で受けられる制度がある場合もありますので、接種歴のないお子さんをお持ちの方は、お住まいの自治体に確かめてみてはいかがでしょうか。

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